遺品整理

大切なもの、大切に

 

個人の遺品

家族にとってはいろいろな想いが詰まっています。

我々はそれを最も大事にします。

整理はあくまでモノの整理と言えます。

しかし、我々はこれはものの整理とは捉えていません。

みなさんの家族の中であったであろう出来事を整理するものなんです。

 

そんな尊いお仕事をさせていただけていること。

心から誇りに思っています。

ありがとうございます。

 

こんな素敵なお話がありましたので、是非ご紹介します。

 

 

〜 遺品整理の現場から 〜

とあるお金持ちのおじいさんの家を整理した時の話。
依頼者は息子さんで、何年も実家に帰っていなかったので勝手がわからないし、すぐ東京に戻らないといけないので・・・
ということで、立会いもそこそこに作業開始となった。
大通の一等地のマンションの12階。


調度品も見るからに高そうな物ばかり。
宝石の箱もいっぱい出てきた。(中身は空っぽ)

ふと、私は部屋の隅にある金庫に目がいった。
書斎の横の、ちょうど故人の肖像画の真下にある金庫。
「この金庫は?」息子さんに尋ねた所、
「ああ、その金庫も中身も処分です。中は大したものは入っていませんでしたよ。開いてますので一応確認してください。」

実は私はその金庫に興味が湧いていた。
息子さんの回答を聞いて、余計に興味が増した。

故人は宝石類を普通のタンスにしまうぐらいのお金持ちだ。
金庫に入れるのは普通に考えると、宝石より貴重な現金?
でも、息子さんは「大したものは無い」と。
つまり、宝石より価値のある、ガラクタなのである。

・・・何が入っているのか。

私は、ゆっくりと金庫のハンドルに手を伸ばした。

中には、紙の束と帳簿が入っていた。
昔の言葉で、「金五拾万円」や「毎月返スモノ」
などと書かれている。

借金の証文だった。

ペラペラと見ると、毎月返してはいるが額がバラバラである。
多く返す月もあれば、少ない月もある。
きっと故人は、地を這いつくばって働いて、必死でお金を返したのであろう事がこの帳簿から読み取れた。
お金持ちになった後、宝石類よりもこの記録を生涯大切に金庫にしまい、自分の肖像画の下に保管する。。。
私は、思わずその肖像画を見上げた。
心なしか絵が、私に向かって微笑んでいるように見えた。
私は帳簿の束を持って、息子さんの所に向かった。

「すいません、処分していいって言われてたんですが。。。」
私はなるべく主観を交えず、客観的に、これは故人にとって思い入れのあるものでは無いかという説明をして差し上げた。
息子さんは黙って私の話を聞き、最後に

「やっぱりそれ、もらえます?」

と言ってくれた。
私は喜んでその束を渡そうとした時、
紙の束からポロリと何かが落ちた。

1枚の写真だった。
子供が3人、1人は赤ん坊なのでお母さん?に抱えられている写真だった。

「あっ!これお袋と兄貴達です。抱かれてるのは私ですね」

写真も、金庫から出てきたもの。
何となく、故人の人となりを知れた瞬間だった。

遺品を大切に整理する。
私は改めて、この仕事にやりがいを感じた現場だった。

 

このエピソードのように別の人から見ればなんでもないような物が、実は故人にとって意味を持っていること、それを私たちは知っています。

故人の思いを汲取り遺族へ伝えること、その意味も私たちは知っています。

ご遺族だけでは手に負えない場合もあることと思います。そんな時は、私たちに手伝わせて頂きたいのです。どうか、遺品整理から故人の思いを伝えられるように。